過激なレプリカ

模造品づくりにフルスロットル

担降りしたかった冬 -Let's go to TOKYOー

Hey!Say!JUMPのファンを続けて来た10年の中で、ファンをやめること…「担降り」が具体的によぎった年がある。
2012年だ。

 

DREAM BOYS、八乙女光出演、帝国劇場で9月の1ヶ月。
JOHNNYS' World、Hey!Say!JUMP座長、帝国劇場で11月~1月の3ヶ月。

 

2010年、2011年も、SUMMARYが東京で1ヶ月あり、何でこんな交通費を払わないといけないんだろう、交通費をかけずに来ている子がいるのに何で自分ばっかり、と思っていた次の年のことだった。いや、その前にもテレビ東京の番組協力でやたらと神谷町に足を運んでいたし、言い始めたらキリがない。
一番長かったJOHNNYS' World略してジャニワ、3ヶ月の公演期間に1ヶ月1回で仮に3回行くとすると、交通費が×3万、×宿泊費が×1泊5000円で計算するとそれだけで10万円になる。チケット10回分くらいの値段。実際は、夜行バス使ったり友達の家に泊まったりしてたからこんな価格ではないけど。そして何より実際は6遠征14公演行ったけど。

 

不公平にも程があると思った。
でも、そもそも世の中に公平などない。

 

行かなければいけない義務などない。誰かと比べる必要もない。
交通費が高いと思うなら行かなければいい。

「何でこんなことしないといけないの」「何であの子と比べて私は」
ただ楽しいはずの趣味にこんな感情を持ち込むなら、ヲタクをやめたほうがいい。


だけど行きたい。
私だってたくさん見たい。
シンプルに、ただ好きだから。


「どうして東京に来ないの?転職しようと思えば出来るよね?」

 

極端な例だが、同じようなことを色んな子に何度も言われた。
悪意なく、何度も。
恐らく私の「交通費がかかる」という文句に、こう返すしかなかった人もいたと思う。優しさで言ってくれた人もいると思う。
だけど全部、凶器としての記憶になっている。忘れられない。
好意でもらったマシュマロを口に詰めて死ぬ人だっているはずだ。

 

大阪で社会人をしている私が悪かった。
家族がいるし、今の会社と仕事好きだし、東京は家賃が高いし、そんなの全部言い訳。

子どもじゃない。

場所なんて転職すればいいし、社会人で休めないならフリーターになればいい。
私たちはチケットの1枚にしかすぎなくて、ステージに立つアイドルは正義も是も否も知らない。私たちの背景なんて関係ない。

 

今の自分を作り上げているのは自分だ。

 

「仕事を休めないし、お金もかかるから、行けない」はNGだけど。
「仕事を休みたくないし、貯金もしたいから、行けない」はOKだと思う。
後者は言い訳じゃなくて、主体的な選択だから。

 

環境のせい、他人のせいにする人生は醜い。
というか、自分のせいにするほうが楽だ。
そうしないと、嫉妬と羨望で死んでしまう。

もちろん、大人だから、家族の介護や看病、家を継がなければいけないなど、自分では決してどうにもならないこともあるけどね。


前回のブログで、JUMPが10周年でどんな現場を発表してもフルスロットルで対応出来るように、悔いなく追いかけられるように「10周年が終わるまで異動も転職も絶対しない、10周年が終わるまで絶対に自分の生活は変えない」と書いた。

 


JUMPの10周年が終わったこの春、東京に異動することになった。

 


年末にJUMP担の友達に報告し、SUMMARYもジャニワもやってないのに何で今って笑ってたら、JUMPは宮城の観光キャラクターになり、光くんは東京・グローブ座で1ヶ月舞台が決まった。(HiHiJETも東京・有楽町クリエが1ヶ月決まった)

JUMPがSUMMARYやジャニワをやっていた頃、という視点もそうだし、本当はもっと若い頃に行きたかった。

今は生活や老後のことばかり考えて、大阪より遥かに上がる家賃や生活費に舌打ちしてしまう。

東京。住むところなんてある?何で皆こんな高額の家賃払ってるの?何度も攻撃的にそう聞いたが、元々関東出身の友人も、大阪から異動になった先輩も、皆楽しそうに言うのだ。「でも、東京だもん!」


東京がなんぼのもんじゃい!
こんな関西弁、関ジャニ∞の歌詞でしか聞いたことないけどさ。


ゴールデンタイムのクイズ番組見てたら、ロゴを見てそのスーパーマーケットの名前を当てろってクイズをやっていて、関西にないスーパーめっちゃあったし。

東京で大雪だった日「大変だったね、大丈夫だった?今日も気をつけてね」って優しい日記を更新をしてくれたアイドルがいて、その優しさには心から感動したけど、日常的に雪の被害で大変な地域もあるって思ったし。

早売りの感想に敏感に怒るのに、地方で遅れて放送されるテレビ番組の話はガンガンリアルタイムでしていいの何でって思ってるし。(売上減を助長するような早売りの画像、テキストをUPするのはまた別の話ね)

真偽不明とはいえ、文春掲載のジャニショには修学旅行のついでに来いっていう発言に笑ったし。

JUMPが吉祥寺特集をやったとき「あんなところ遠すぎて住めない」って、何かもうさ。


東京コンプレックス。

 

って検索したら「関西人の「東京コンプレックス」は異常wwwwwwwww」ってスレッドが検索で一番上に上がって来た。「そう思う」を1000回押したい。

 


Let's go to TOKYO♪ Let's go to TOKYO♪

 

もう東京に通いたくない。無理だ、担降りだ。
そう思ってたくさんチケットを手放したジャニーズワールドで聴いた2幕のこの曲。

この曲で笑顔でステップを踏んでいた光くんも、東京じゃなく宮城出身だ。

宮城だから急に仕事に呼ばれても駆けつけられないことが多くて、ある日宮城の家で同期がMステに出てるのを見てたらお母さんに「悔しいんじゃない?」って言われて、ポロって涙がこぼれた光くん。「ここにいたら全然前に進めない」と、中学1年生で上京を選択した光くん。

光くんも「Let's go to TOKYO」してきた一人。

 

そんな光くんの担当である私が東京に負けて担降りなんて出来るはずもなく――

 

という都合の良い構成の話なんて現実にはない。

 

ジャニワ自体が最高すぎて虜になって何かもう千秋楽は「終わるのほんまつらすぎるからもう千秋楽やらんくてよくない?あーいっそ始まらんといてや~!!!」って叫びながら席についてた。何で交通費こんなにかかるの、とか、何でほかの子と比べてたくさん見れないの、とかそんな気持ちは暴力に似た輝きでねじふせられていた。結局のところ、ただ好きだから、ただ見たいから。夢中で帝国劇場に足を運んでいた。


夢中。
夢の中にいないと、きっとこんなに足取りは軽くない。
夢にはGPSも反応しない。東京とか大阪とか地球とか宇宙とかそんな概念全部ないのだ。

 

担降りしたかった冬から既に5年経つ。
あの頃に比べれば、全国ツアーがメイン現場の今、東京に住んでいるからどうということはほとんどないけれど。

私には叶えたい夢がある。だから私は仕事を頑張る。
色んな偶然が重なってこうなったんだけど、自分で選択した異動なのだ。

 

部屋のスペースを圧迫する雑誌を買って、HDDの容量を空けて、通勤の合間を縫ってラジオを聞いて。こうやってわざとしんどそうに書いても、結局、全部好きだからやっている。全部楽しいからやっている。

 

光くんのファンでいることを、私は自分の意志で毎日選び続けている。

 

住む場所も、仕事も、全部同じだ。

今の自分は、自らの選択が積み重なってできた結果であり集合体だということを忘れないでいたい。 

 

 

Let's go to TOKYO。

東京へ、いってきます。