過激なレプリカ

模造品づくりにフルスロットル

【about s3art】5.切なさ、ひきかえに

ソファドソファシド
ドドシラソ
ソファドソファシド
ミファミレド

曲の始まりに流れるこのメロディ。
耳を澄ませると、このフレーズは前奏から始まった後、かなり長く「あなた引き立てる」までずっと流れています。

同じメロディが大きな変化を望まないように穏やかに繰り返される曲の構成。
それは、主人公があなたへ抱く「片想い」の形ときっと同じ。

この曲は一言で言うと主人公が「あなた」へ思いを寄せる「片想い」の曲です。

作詞者である薮くんは過去に「screw」と「スクランブル」という切ない恋愛ソングを2曲作詞していますが(この曲も合わせ、私の中では「切なさ御三家」と読んでいる)、「スクランブル」は、恋する相手との出来事、「物語」の描写が多いのに対し、「screw」と「切なさ、ひきかえに」は、心象世界を中心に描かれています。

また「screw」には、「愛を囁く」「好きと呟いた」「あなたを抱きしめ」という歌詞があり、主人公とあなたの関係には読み手の想像の余地が多く用意されています。
それと比べると「切なさ、ひきかえに」は、主人公があなたへ片想いしている、という矢印が誰にでも明白です。

「歌詞の世界は男性でも女性でもどっちでも取れるように」「誰が聞いても、今思ってる人に対してあてはまる曲」と薮くんは言っていましたが、極力ストーリーを省き、「片想い」というテーマを明確に押し出すことで、男女はもちろん、誰にでもあてはまるように、誰にでも共感してもらえるように仕上がったのではないでしょうか。

ストーリーを省き、と言ったばかりですが、主人公からあなたへの気持ちの「切なさ」を演出するために「時間」がギミックとして使用されています。
主人公はあなたを、最近好きになったわけではなく、割と長い時間片想いをしているのではないかと見ることができるのです。

・「ほら惑わす」の「ほら」→惑わされることが予想できる、つまり、過去に経験していることを繰り返している様子
・「となりにいればいるほど」の「いればいるほど」→隣にいる時間が長いほど思いが募ることを検証できるほどとなりにいる
・「明日もまたいつものように」の「いつものように」→過去がなければ使えない言葉

ですが、関係を変えるつもりはないようです。

・「今はまだいつものように」
今は「まだ」ということは、いつかはこの思いを告げるつもりなのかもしれませんが、最後に「包まれていたい」ともう一度自分で言葉にするとき、また「ソファドソファシド ドドシラソ」という前奏やAメロで流れていたメロディが流れてきて、最後の「包まれていたい」では「ミファミレド」という音がひときわ大きくインしてきます。
連綿と続く穏やかな気持ちだけど、思いの強さが表現されているようで、ここの「ミファミレド」が切なくて大好き。


となりにいればいるほど、愛しくて狂おしくなる、そして、今はまだ関係を変えるつもりのない、長い時間をかけた片想い…。

美しい曲ですね。



●ソロパートMVP
薮宏太「You are my light」

本当に好き!!!!!!!!
薮くんの歌声が好き過ぎるだけっていう好みの話かもしれませんが、薮くんの「ユーアマイライッ」の情感的な歌い方が孕む優しさと、この片想いを象徴するような穏やかさがたまらない。そう、優しくて穏やかなんだよな~。
薮くんが「ユーアマイライッ」って歌う度に胸がぐっちゃぐちゃになるくらい、このワンフレーズがいやに胸を打ちます。

 

サビで何度も挟まれるこの言葉。

知念様が「どういう意味なんでしょうね~…『ユー、アー、マイ、ライト』…あなたは私のヒカリです的な」って、シャッって鉛筆で下線を引きながら言ってるシーンは、映画のように物凄くかっこいい。聡明な知念様だけど、この言葉に「どういう意味なんでしょうね」って、ピュアに問いかけているのがいいわぁ。

そんな知念様の「隣にいればいるほど霞遠く 胸をざわめかせる」ってソロパートも好き。「胸をざわめかせるう~」の「せるう~」がちょっぴり幼くて、好き。

「恋焦がれるの」の「こいっ」っていうスタッカートみたいなのも面白いですよね。

光くんの「ユーアマイライッ」はやたら鋭い。
光くんのソロパートだと「ちらりっとのっぞっくいろこぉいかげがぁいぇ」ってパートが、細かい譜割なのに綺麗に歌えてるなぁと。「ちらり」っていう発音が何か妙に綺麗じゃないですか?
大ちゃんの「ゆれるぅ~ベイベッ」も好き。

薮ソロ→山ソロ→薮ソロ→薮山ユニゾン
光ソロ→有ソロ→光ソロ→光有ユニゾン

この構成も好きだな~スクガの1番もこんなんですが。
しかし、ユニゾンがいずれも不協和音な感じが…生で歌うとよくなるかな…。

てか山ちゃんの「願いを綴りながら」も好き、思いの重さで右に出る者はいない、それが山田涼介だっ!!!

ドームで見たとき、薮くんがメインで山ちゃんと2トップなんだ!って思った瞬間、たまらなく嬉しかったです。

でも、話が前後するけど、1位と迷うくらい好きなソロパートは、伊野ちゃんの「誰かが笑っていても」です。
伊野ちゃんのこのパートが輝きすぎていて切なくて、この曲の主人公が乗り移ったように胸をざわめかせてくれました。
伊野ちゃんの高音大好きなので、これからももっと色んなパートを任されてほしいなぁ。


でも何かダンスは残念!
高木くんが雑誌でこういう曲で踊りたかったって書いてたけど、振り付けがしっくり来なかった。
いつものJUMPみたいな、パントマイムみたいなアクセントダンスみたいなカチッカチッとした振り付けだったのが何だかなぁ…。
フォーメーションっぷりは美しいんだけど、この曲とのマッチ具合が微妙。
スクランブルみたいなしなやかなダンスが良かったなぁ。
ダンスの知識がないので、どういう違いなのか分からないんだけど。

と、長々語って来ましたが。
もうとにかくドームで聴いたときからこの曲が好きで好きで好きで好きで。
切ない系の曲でいいと思えたJUMPの曲は多分初めて!
薮くんが「日本人だからできる限り日本語で書きたい」って言ってるところにもすごく感銘を受けた。私も日本語大好きだよ!!薮くん同担だね!!